ランニングは週何回・何分走れば痩せる?公的データで計算

結論:まずは「週3回・1回30分」のゆっくりしたジョギングから始めるのがおすすめです。
厚生労働省のガイドは「息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上」を勧めていて、週3回×30分(週90分)ならこれを超えます。
体重60kgの人なら、30分のジョギングで「安静にしているときより多く使うエネルギー」は約190kcalです。
週3回で約570kcalになります。
ただし、体重1kgを減らすには約7,000kcalが必要とされています。
走るだけだと1kgに約3か月かかる計算なので、食事を少し見直すことと組み合わせるのが近道です。
この記事では、この数字の出どころと計算のしかた、始め方、気をつけることを順に説明します。
国の目安は「運動を週60分以上」
厚生労働省は2023年に「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を出しました。
成人向けの主な目安は次のとおりです。
- 歩く、またはそれ以上の強さの体の動きを、1日60分以上(1日約8,000歩以上)。週23メッツ・時以上にあたる
- そのうち運動は、息が弾み汗をかく程度のものを週60分以上。週4メッツ・時以上にあたる
- 筋力トレーニングを週2〜3日
- 座りっぱなしの時間が長くなりすぎないようにする
ランニングやジョギングは、この「息が弾み汗をかく程度の運動」に入ります。
「週に何回」の決まりはない
同じガイドのQ&Aでは、「20分以上続けないと効果がない」「週3回以上でないと効果がない」といった最低限の時間や回数はないとされています。
短い時間の積み重ねでも、週1回でも、健康によい効果があるとされています。
そのため「週3回・30分」は決まりではなく、続けやすく、国の目安(週60分)も超えやすい組み合わせの一つです。
週2回・45分でも、週4回・20分でも、合計はほぼ同じです。
メッツとは
メッツは運動の強さを表す単位です。
座って安静にしているときを1メッツとして、その何倍のエネルギーを使うかを表します。
ふつうに歩くのが約3メッツです。
「メッツ・時」は、メッツに時間(時間単位)をかけた運動の量です。
ランニングで何kcal使う?速さ別に計算
運動の強さは、国立健康・栄養研究所の「身体活動のメッツ(METs)表」をもとにした、厚生労働省の「運動のメッツ表」で調べられます。
ランニングとジョギングの値は次のとおりです。
| 運動 | 速さ | 1kmにかかる時間(目安) | メッツ |
|---|---|---|---|
| ふつうの歩行 | 67m/分(約4.0km/時) | 約15分 | 3.0 |
| かなり速い歩き | 107m/分(約6.4km/時) | 約9分20秒 | 5.0 |
| ゆっくりしたジョギング | 速さの決まりなし(ゆっくり走る) | — | 6.0 |
| ジョギング | 速さの決まりなし(ふつうに走る) | — | 7.0 |
| ランニング | 134m/分(約8.0km/時) | 約7分28秒 | 8.3 |
| ランニング | 139m/分(約8.3km/時) | 約7分12秒 | 9.0 |
| ランニング | 161m/分(約9.7km/時) | 約6分13秒 | 9.8 |
※km/時と1kmの時間は、表の「m/分」から計算した目安です。
計算の式
厚生労働省の資料では、運動で使うエネルギーを次の式で出しています。
- メッツ × 体重(kg) × 時間(時間) × 1.05 = その運動のあいだに使ったエネルギー(kcal)
- ここから安静にしていても使う分を引いたものを、「運動で使ったエネルギー」としている
安静のときは1メッツなので、「運動で増えた分」は(メッツ − 1)× 体重 × 時間 × 1.05で求められます。
痩せるために見るのは、この「増えた分」です。
体重60kgの人が30分走った場合

30分は0.5時間です。
60kg × 0.5時間 × 1.05 = 31.5 なので、(メッツ − 1)に31.5をかけます。
| 運動(30分) | メッツ | 運動で増えた分 | 週3回の合計 |
|---|---|---|---|
| ふつうの歩行 | 3.0 | 約63kcal | 約189kcal |
| かなり速い歩き | 5.0 | 約126kcal | 約378kcal |
| ゆっくりしたジョギング | 6.0 | 約158kcal | 約473kcal |
| ジョギング | 7.0 | 約189kcal | 約567kcal |
| ランニング(約8.0km/時) | 8.3 | 約230kcal | 約690kcal |
| ランニング(約9.7km/時) | 9.8 | 約277kcal | 約832kcal |
同じ30分でも、ジョギングはふつうの歩行の約3倍のエネルギーを使います。
走る時間が短くても、歩くより効率よく消費を増やせるのがランニングのよいところです。
体重が違う人は、表の数に「自分の体重 ÷ 60」をかけると目安になります。
たとえば体重75kgなら1.25倍です。
体重1kg減らすには何週間かかる?
厚生労働省の資料では、体重1kgを減らす(腹囲1cmを減らす)のに約7,000kcalが必要としています。
これを使って計算してみます。
走るだけの場合
- ジョギング30分を週3回:週に約567kcal → 7,000 ÷ 567 ≒ 約12週(約3か月)
- ランニング(約8.0km/時)30分を週3回:週に約690kcal → 7,000 ÷ 690 ≒ 約10週
思ったより時間がかかると感じるかもしれません。
走ったあとにお腹がすいて多めに食べると、差はさらに小さくなります。
食事と組み合わせる場合
同じ資料では、減らしたいエネルギーを「運動」と「食事」に分けて考える方法を紹介しています。
たとえば、次のように組み合わせると計算上は早くなります。
- ジョギング30分を週3回:週に約567kcal
- 食事を1日100kcal減らす:週に700kcal
- 合計:週に約1,267kcal → 7,000 ÷ 1,267 ≒ 約5.5週
1か月で1kgを目指すなら、1日あたり約233kcal(7,000 ÷ 30日)を減らす計算です。
ここでの数字は、あくまで計算上の目安です。
体の反応には個人差があり、この通りに減るとは限りません。
あわせて読みたい:ダイエットに最適な運動法:マラソンとランニングの魅力
走ったことがない人の始め方
ガイドでは、体を動かすときの全体の考え方として「個人差を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組む」としています。
いきなり30分走れなくても大丈夫です。
強さは「息が弾み汗をかく程度」
国の目安でいう運動は、息が弾み汗をかく程度のものです。
速さを気にするより、この感覚を目安にすると始めやすくなります。
会話がまったくできないほど苦しい速さで走る必要はありません。
歩く日から始めて、少しずつ走る
次は一例です。
きつければ前の段に戻してかまいません。
- はじめの1〜2週:かなり速い歩き(5.0メッツ)を30分、週3回
- 次の2週:速く歩く途中に、ゆっくりしたジョギングを数分ずつはさむ
- 慣れてきたら:ゆっくりしたジョギング(6.0メッツ)を続けて30分
速く歩くだけでも、30分で約126kcal(体重60kg)を使います。
歩くことも立派な運動です。
運動の日以外も、少しでも動く
ガイドでは、1日の体の動きを10分増やすと、生活習慣病や死亡のリスクが約3%下がると推測されています。
走らない日も、階段を使う、一駅歩くなど、座っている時間を減らす工夫が役に立ちます。
筋力トレーニングを週2〜3日行うことも、同じガイドで勧められています。
走る前に気をつけたいこと
ガイドでは、「やりすぎ」の量はまだはっきりしていないものの、けがや体調に注意して無理をしないことが大切だとしています。
持病がある人・ひざが痛む人
厚生労働省の「慢性疾患を有する人の身体活動のポイント」では、体を動かすことで悪くなるおそれのある合併症や、関節の痛み・変形がある場合は、事前に医師などの専門家に相談するよう書かれています。
特に次のような人は、走り始める前にかかりつけの医師に相談してください。
- 高血圧の人:血圧が180/110mmHg(家庭血圧160/100mmHg)以上の場合は、まず血圧のコントロールが先とされています
- 糖尿病の人:低血糖や合併症がないかを、事前に確かめるよう書かれています
- ひざが痛む人:運動で痛みが強くなる、変形が大きい、歩くのが不安定な人は確認が必要とされています
- 脂質異常症の薬を飲んでいる人:薬の種類によっては、筋力の低下や筋肉の痛みが出ることがあるとされています
ひざが心配な人は、ランニングの代わりに速く歩くことから始める方法もあります。
走る日の体調も見る
- 熱がある、寝不足、体がだるい日は休む
- 走っている途中で胸が痛い、めまいがするなどのときは、すぐにやめる
- 足に合った靴をはく
靴の選び方は、こちらの記事でも紹介しています:ダイエットに最適!ランニングとスニーカーの選び方
今日からすること
30分で「運動で増える分」の早見表です(式:(メッツ − 1)× 体重 × 0.5時間 × 1.05)。
| 体重 | 速く歩く(5.0) | ゆっくり走る(6.0) | 走る(7.0) |
|---|---|---|---|
| 50kg | 約105kcal | 約131kcal | 約158kcal |
| 60kg | 約126kcal | 約158kcal | 約189kcal |
| 70kg | 約147kcal | 約184kcal | 約221kcal |
| 80kg | 約168kcal | 約210kcal | 約252kcal |
- 下の早見表で、自分の体重だと30分で何kcal増えるかを知る
- 週3回、30分の「速く歩く日」を手帳やスマートフォンの予定に入れる(慣れたら少しずつ走る)
- 持病がある人・ひざが痛む人は、始める前にかかりつけの医師に相談する
この記事の出どころ
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(概要)」
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」成人版(推奨事項・Q&A)
- 厚生労働省「運動のメッツ表」(国立健康・栄養研究所改訂版「身体活動のメッツ(METs)表」より改変、2026年1月版)
- 厚生労働省「無理なく内臓脂肪を減らすために〜運動と食事でバランスよく〜」(消費エネルギーの式・体重1kgあたり約7,000kcal)
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」慢性疾患を有する人の身体活動のポイント
(2026年10月14日に確認)










